ENDLESS SUMMER    the prince of tennis : Tezuka×Fuji  再録:2007.08.13
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いつまでも二人なら…終らないと信じたアノ…夏。

アノ日。
アノ時。
アノ場所で。
何か言うことができたら。

俺は。
不二を手放さずに済んだかもしれない…。

「もうすぐ…夏が終わっちゃうね…」
「ん?あぁ…」
夏休みのの終わり、俺の家へ不二が泊りに来て、花火をしていた。

パチパチパチ…
花火は人を切なくさせる。
落ち込んだ気持ちが更に澱む。

「手塚ぁ〜」
不二が俺の肩に頭を預けてきた。
なんだ、と見てみると、その茶色の瞳には涙が浮かんでいた。

「テニス部続けたかったな…」
ひどく淋しそうに続ける。
3年の夏で部活は終る。
それは避けようのない通過儀礼の様なモノだが。
少し淋しい気がしないでもない。

花火で切なくなっている上に、不二にそんな顔をされたら、余計切ない。
俺は黙ってその肩を抱き寄せ、そっと頬にくちづけした。

「元気だせよ…」
そっとつぶやくと不二は、うん。といって涙まじりに微笑んだ。
その微笑みがまた妙に切なくて…。
肩を抱く腕に力を込めて、満天の星の輝く空を見つめた。

いつまでも、いつまでも、そうしていたかった。
二人で。

このまま時が止まればいいのに…。

誰より俺だけ包み込んでくれた。
跡部に負けた日、狂いそうな俺を黙って抱きしめていてくれた。

いつも、いつもそうだ。
悩みを人に言うことのない俺の、気持ちをさっして、黙って何でもしてくれる。
不安な気持ちを消してくれる…。

不二をこの手に抱き、絶頂のまま、果ててしまいたいと、何度願った事だろう…?




「別れよう」

その言葉を。

その唇から聞くまでは。





to be...

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